自分の成長のために知源育が役に立つのはすばらしいことです。しかし、成長にはもうひとつの次元があります。それは他者の成長を支援することです。そのような支援の中で、自分自身の成長を違う角度から検討することが起こります。自己流で身につけてきたテニスの技術ですが、自分より初心者と共にプレーすることが増えるにつれ、新しい意識が自分の中に育っていることに気づきます。その人の成長を育むという視点です。相手の動きを観察し、よりよいパフォーマンスが出来るよう助けようとすると自分の力を伸ばすのとは違った意識を持たなければなりません。
テニスで競争力を増すということは、相手の動きに適切に対処する必要があります。相手があっての試合ですから。当たり前のことですが、上級のプレーヤーにはどんなボールを打っても返ってきますが、初心者には、打ちやすい位置に適度なスピードで打ってあげなければなりません。ですから、よりよいコントロール、正確な打法が身につきます。そして、相手の模範にならなければならないという意識が、自分自身のフォームをもう少し細かく点検することにもつながります。
知源育を通じた支援全般にいえることですが、支援を通して、実は共に成長しているのです。