知源育は、原則を理解することは容易ですが、それを実践の中に適切な形で応用することには特別な経験と技能が要ります。私の場合は、開発者として、理論的な背景を詳しく把握していましたが、それを実践することにはまったくの無知でした。暗闇の中を手探りするように進み、試行錯誤の中で方法を身につけるしかなかったのです。それは気の遠くなるような歩みでした。やがて、そろそろ20年近くなりましたが、5つの原則に基づくプロジェクトの進め方が身に付いてきました。40ほどのプロジェクトを経験することによってです。一度適切な応用の仕方が理解できますと、それを人に伝えるのは遥かにやりやすいことです。コロンブスの卵の例のようにです。
小学生でも身につけることができるのでしょうか?私はそれが可能だと信じています。ただ、知源育をマスターした人が丁寧に、小学生にも分かりやすい方法で教えなおかつ共にプロジェクトを進めながら、随時コーチングとサポートをある程度長期間にわたって行う必要があります。しかし、小学生でも、そのような継続的な支援によってかなりの高いレベルで、知源育的なプロジェクトの進め方を身につけることができるでしょう。