成功している人たち、成功している企業は常に学び、成長していると言えます。そうでないと世の中から取り残されてしまいます。あれこれのソースからアイデアを引き出し、それを応用して自分や自分の組織を向上させようと努力します。インターネットが発達した今日情報やアイデアもすぐ手に入る便利さがありますが、身近なところに埋もれている人的資源について考えてみます。1つの例を挙げますが、そこに含まれている原則をかっこに入れて明記します。
アイデアをどのようにして生み出すのか。最近、全米科学財団(NSF)の研究資金申請の準備に追われていました。環境発電とスーパーキャパシターを組み合わせてバッテリーも電源も要らず、手をかけずに活動なのどセンサーと妊娠をチェックする自動採血装置を内蔵する電子機器の開発です。乳牛に使うものです。チーム内の専門家からたくさんの情報が寄せられたことと、もう一つの予想もしなかったソースを見出しました。日本から引っ越して比較的日が浅い知り合いと親しくなり、その友人を支援するプロセスで(人に仕えることから扉が開かれることが多い)、彼が電子工学の深い経験と知識をもっていることが分かり、互いが助け合う関係が生まれました。その友人が家族の一時帰国で一人残ることになり、住む場所が必要だということで、わたしの家の1室を使ってもらうことになりました。話し好きな友人にNSFのことを話し始めると山ほどの情報が流れ出してきます。ときどき別のことで手がいっぱいのときには彼の話したいことに耳を傾けることが負担になることもあります。そのようなときにも、自分のペースではなく、彼のペースで(相手のオーナーシップを尊重)、ときには分かり切っていることを説明しようとする相手の言葉に自分の知識や理解の確認という意味を見出しながら、微妙なニュアンスの違いをマークしながら聞き、忘れる前にポイントをメモすることを怠りませんでした(記録によって考えが発展できる)。それらのメモをもとに、時間のとれるときにはのーとを復習して考えを発展させ、それを図や表や数式にまとめて彼に説明します(記録と復習で振りかえって、報告のモードでさらに深化させる)。するとまた突っ込んだ質問と提案がどんどん戻ってくるという具合で、この一人の友人のお陰でNSFへのかなり専門的な申請書類が急速に仕上がっていくのは驚きでした。