自分も含め,わたしたちは人の可能性について過小評価していると思います。もう1年も前になりますが衝撃的な経験がありました。博士課程に進もうとしている学生と言語学習を促進する方法について議論する中で,やる気が十分でない学習者をどうするか話していたのですが,簡単な解決法が見つからないようで,宿題になったのです。そこで色々なとこから知恵を集めていたのですが,知り合いの8歳の娘さんが暇そうにしていたので,冗談半分で「やる気のない人にがんばってもらうにはどうしたらいいかな?」と尋ねたのです。返ってきたのは,「わたしだったらね,その人といっしょにあることをやってあげるよ。そうしてその人が少しできたら,やる気が出てくるよ。」わたしは思わず,「すごくいいアイデアだね。びっくりしたよ。どうしてそんな考えが出てきたの?」と応えたのですが,彼女の説明は,「わたしはいつもクラスの友だちを助けたりしているからね。」
幼い子供たちにもすごい知恵があります。わたしたちだれもが「知源」をもっています。それに力を発揮してもらえれば,わたしたちの活動はもっともっと優れたものになります。それを促進するのが知源育の5原則なのです。