もともとないと思っている能力を伸ばす(2)

口べたで人前で話が上手にできないと感じているとします。そういう人が変わる方法があるのでしょうか。もちろん「話し方」を教える教育プログラムはたくさんあります。スピーチが上手になる方法を解説する本もたくさんあります。訓練の場もアイデアもあちこちに見つけることが難しくありません。しかし、とつ弁の者がスムーズに、立て板に水を流すように話すことができるなんてことを望むことができるのでしょうか。それは、そのことが本当に自分の人生で欠かせない必須のスキルであるのなら、また、知源育を上手に応用することができるのであれば、可能だと思います。

 

初めて上京したとき、おっとりした環境で育った私には駅の係員に質問をした時に、あまりにも速く話されて、しかもこちらの方はしどろもどろの話し方で恥をかいたことを思い出します。それから何年かして、予備校の講師として160名の学生の前でマイクを通してしゃべり続ける訓練などをしているうちにまともなスピードで情報を伝達できるようになりました。それは知源育の開発の遥か前に起こったことで、おかれた状況がそうさせたのですが、知源育を使う力が身に付くと、環境さえも工夫して創り出すことができるのです。第2原則を使って、身近なところにあるアイデアを効果的に利用できるようになるからです。

 

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