古代ギリシャの哲学者たちの時代から、いいえどこの文明でもその夜明けから質問によって様々な考えが発展してきたことでしょう。限りなく質問してくる幼児に閉口した経験があるかもしれません。何年も経たないうちにすばらしい知恵をつけていく人間の成長を思うと、質問することの大切さを思わずにいられません。
教育界では、「発問」という言葉で、教育者が学習者の思考を助ける質問の仕方を表現しています。上手な発問によって、考えが「促され」「深められ」「ゆさぶられ」るのです。
知源育のプロジェクトもこの発問力によって促進されます。第5原則が生活に浸透するということは、記録が増えていくことも意味します。記録と共に考えるからです。そこで、発問力が鍵になります。疑問を書き出してから、その答えを模索して記録にまとめます。記録があるからこそその疑問に何度も戻って来て、深め、大前提になっている考えでさえ、まな板の上に持ってきて調理することも起こります。いろいろなよい変化を起こす前提に、先ず考えや見方を吟味することがあることを覚えておきましょう。
よい発問ができないならば、何と時間や努力を浪費することになるでしょうか。自分の頭脳に質問を投げかけてやると、歩きながらでも何かの作業をしながらでも頭脳は考え続けます。