「止まれ」のサイン

現代人の生活は多忙です。やらなければならないこと、やりたいことが限りなくあります。ですから、1日が48時間ぐらいあったらいいのにと思ってしまいます。しかし、私たちの永遠の進歩のために24時間で十分です。無理をせず、確実に、自分のできる範囲で進んでいけばいいのです。それが結果的にはすごい成果につながります。

もうちょっと続けたい、後少しで終わるから、そうやってずるずる活動が続いていませんか?サイクルを取り入れるとは、活動に区切れを作ることです。そして、立ち止まって振り返るのです。飛躍はそのような自制心の結果として起こってきます。慌ただしく動き回っている時、「止まれ」のサインを自分の目の前に描いてみましょう。

そのままでは変われない

たくさんの変化を見てきて思うのは、人は通常のモードで生きている時には習慣を破って変わることがなかなかできません。知源育のモードで生きるとき、助けを受けます。コーチが脇に立って伴走してくれることは大きな違いになります。自分一人では届かないところに達成することができます。

もう一つの側面は、人を助ける立場に自分をおくことです。知源育が身に付いてきたら、他の人たちを助けます。一緒に付き添ってしばらくの間走るわけです。このように助けているプロセスで、自分がさらに変わっていることに気づくのです。とても美しい経験です。

受け皿を作る

知源育では考えることは記録することで充実したものになります。物事を企画する場合、未来志向制の強い知源育のプロジェクトでは、実際の出来事が起こる遥か前に準備が始まります。ソロ・ブレーンストーミングという形で案を練っている時たくさんのアイデアが浮かんできます。疑問も数多く起こるでしょうから、それも書き留めておきます。そうすると何が起こるでしょうか。

このようなプロセスの中で、受け皿が準備されるのです。ですから、普段のさりげない経験の中からそのプロジェクトを完成させるためのたくさんの事柄をキャッチすることができるのです。

プロセスに注目する

何かのプロジェクトをする時ある結果を目指しているのですが、ともすると結果を気にするあまりに、プロセスの中で大切なことが起こっていることを見過ごしてしまうことがあります。知源育に生きるということは、必然的にプロセスを意識します。今まで注意してこなかったプロセスの様々の面に目が向いてきます。その結果、物事を進める具体的な力がついてくるのです。

物事が実現する状況

私たちには多くのアイデアが起こってきます。まわりからもたくさんの刺激を受けて、やりたいことも多いと思います。でも現実的にできることは限られています。ただ漠然とやりたいと思っていることは実現させる力をもっていません。はっきりさせ、具体的な計画を立てなければ実行には移されないのです。知源育の記録術がそれを促進させます。

大事だと思っていても何となく頭の中でくすぶっていることはありませんか?ある特定の時を設けて記録をしながら考えを進めると、確実に実現が始まります。

まとまった時間を取って

物事が大きく変化する時を自らの力で呼び寄せることができます。あることに的を絞り、そのために時間をたっぷり使うことが本当に価値のあることなのかを判断します。たとえ興味深いことでも、自分の生涯でなすべき本質的なことに関連していなければ、そこまで努力しない方がいいかもしれません。

もし、それが本質的な価値を持つことなら、まとまった時間を創り出して、書きながら考え、考えては書いてソロ・ブレーンストーミングを繰り返すうちに考えがまとまってくるでしょう。そのようにして緻密な計画を立て、それを実行に移すならば、思いのほかの変化を創り出すことができます。それはまったく予想もできないくらいにすばらしいことです。ですから、そのようなことに時間という投資をするように心がけたいものです。

リラックスしないとだめです

先週ペンシルベニア大学のキャンパスで行われたDennis Kimbro博士の講演に出席しました。黒人のベストセラーの著者で、迫力のあるお話をしてくれました。周りを見回すと、2百人あまりの出席者は私を除いて全部黒人の方でした。参加者をみると街をぶらついている人たちとはだいぶ違って、上品で、物事に真剣に取り組んでいる人たちに見えます。話者の話の前提には黒人が社会から取り残された虐げられた民であるという自覚があります。臆すことも無くたくさんの不本意な統計が取り上げられます。

私には何人もの黒人の親友がいて、どちらかというと世の中から落ちこぼれてしまったような人たちがなんとか立ち直り成長できるように支援しています。それでもなかなか成果が上がりません。ヒントを探し求めていますから、こんな講演で、黒人の中で成功している人が、他の人たちを励ます時にどうするのかを知るよい機会です。Choice(選択)がキーワードでした。あきらめずに成功への道を邁進せよとすごい迫力で会衆に訴え、会衆もそれに声に出して応えていました。しかし、これはこの人たちには影響することができても、もともとやる気があまりない私が知っている人たちには通じないと思いました。

よく、がんばればできると励まして、しゃにむにがんばることで、意志の力で克服することが勧められます。しかし、知源育の知恵は、それには無理があり、やがて挫折がくると示唆します。無理無く一歩一歩、休息やリラックスもしながら進まないとだめです。サイクルを創って、絶え間なく、自分のペースで進むことが相応しい方法です。

無いはずの才能が

いざ知源育のプロジェクトととして始めると、もともとないと思っていた才能やスキルが次第に育ってきます。しばらくすると驚くような変化が起こっているのです。第2原則と第4原則が効果を上げると、ゼロからスタートしたと思えることにはっきりとした成果が現れ、しっかりした土台ができていると感じられるようになります。ローカルな現実の中には無限の可能性が眠っています。絶えず目標を進化させながらサイクルを創れば、ほんの小さなスタートでも、見違えるように大きくすることができるのです。

未来志向型

知源育は未来志向型です。サイクルを創って進めますが、時が熟す遥か前に動き始めます。スピリチュアル・クリエーションを行うからです。第2原則を使えるのも、企画書を作成しながら1つ1つの具体的なステップについて試行錯誤する中で情報をキャッチするアンテナを準備しているからです。知源育を生きているとき、未来に向かって積極的に前進しています。

つぶやき

Yさんと話していました。知源育では記録がとても重要な役割を果たすことについて語っていた時、彼女の口から「それって、『つぶやき』を書き留めればいいんですね。』という発言が出てきました。私はその発想に感動してしまいました。知源育を教えることは両方向の営みです。自分が教えていると同時に相手の経験や反応を知ることで自分が啓発されるのです。そうです。何を書こうかと迷った時に、自分の中でつぶやいている声に耳を傾けて、それを文字にすることを試みればいいのです。