継続を可能にする

知源育の支援をしていて、規則正しい努力が1ヶ月もすると目覚ましい変化が体験できることが分かってきました。自分が怠け者であると思い込んでいるような人たちの間にも確実な変化が起こってくるのも興味深い点です。確かに継続は力なりです。しかし、一人で努力するとき、継続はなかなか難しいことです。

こちらの若者と話していました。アフリカ系のアメリカ人で、知的な才能があります。「継続させるのにはどうすべきか。」という問に、彼は、「はっきりした目標に意識を集中させ、自分を励ます。やる気のある人たちを仲間にして、自分をその人たちに囲まれているような環境を創る。」そうです。自分の努力次第で、継続させるような状況を創り出すことができるのです。

レベルアップ

だれにでも苦手の分野があると思います。知源育のサイクルを使うと、苦手なスキルでもゆったりとしたペースで徐々に上達させることができて、しかも自分の予想しなかったレベルに高めることができます。ただし、自分にとって本質的なことに努力を向けるのが賢明です。

私の場合、数年前に、仕事の関係で、自分では大の苦手な分野であるエンジニアリングのプロジェクトをリードするように依頼されました。知源育の力が身に付いているので、忍耐強く、サイクルを創り出していろいろな知識やスキルを伸ばしました。今ではその領域の博士号を持っている人や何十年もの経験のある人たちに交じって活発な共同作業をしていてしかも見劣り無くそれができているのに驚いています。絶えず目標を進化させるところに奇跡の成果が現れます。

大切であるとは思っていても、何らかのメンタルブロックがあって伸ばしていないスキルはありませんか。今がそれに挑戦してみるときかもしれませんよ。

理解のレベル

日常「分かる」ことにかかわる確認がよく行われます。会話の中に「分かりますか?」「ああ、分かった、分かった。」というような表現が繰り返し現れます。しかし、いつも正しく意図が理解されているとは限りません。実は、自分が分かったつもりでも、本当は深いところをちゃんと理解していないこともしばしばあります。ただし、それに気づくのはずっと後になってかもしれません。

知源育のプロジェクトを進めていますと、壁にぶつかることもあります。そんなとき、問題をじっくり考えていますと、その事柄についての理解が実は限られていたことが分かってきます。そして理解が深まるとともに、それに対する対策や解決方法がだんだん見えてきます。ソロ・ブレーンストーミングを試みるチャンスです。打開策は組織的に振り返る時に見つかる可能性が高まるからです。

進歩が止まる

周りを見渡すと現状維持に甘んじている人がたくさんいます。時には息抜きも必要ですし、スランプが起こるのは努力し続けていても避けることはできません。ですから、必死にがんばり続けることが成功を確約することでもなければ、実際長い目でみて好ましいことでもありません。しかし、知源育の第4原則に生きているとき、目標は絶えず進化するはずです。

バランスをとりながら、少しずつ上に向けて目標を進化させることは可能です。もちろん生活をスリムにするという絶えざる努力も同時進行させる必要があります。日々努力していることにより土台が築かれますから、その土台の上にもう少し高い目標に向かうことが可能になります。そのような努力がスタートすると、新しい方向に向かって力やスキルが発達します。計り知れない可能性は眠っています。マンネリ化していませんか。大切なものであるならばより良くより速くより高い完成度で行えるように訓練する価値があります。

成功の確率を高める

ある旅のことを振り返っていました。余裕をかなり持って出かけたので、なんとか飛行機に間に合いましたが、途中で得た情報により何度も惑わされることが起こったのです。人々は、悪意ではないにしろかなり不正確な情報を伝えることがあります。また断片的な情報によって誤った方向に導かれてしまうということもあります。

大事なことを進めるにはより正確な情報の基に計画することが必要です。1つの情報源から得たアイデアを鵜呑みにせず、複数の互いに独立した情報源からみるとそのアイデアがどのように捉えられるのかを確認することで、後で誤った方向に突っ走らないで済むという大きなプラスが得られます。1。準備を早くから進める。2。大事な決断をするポイントについては複数の情報源を使って慎重に進める。ある程度の年齢になった経験を積んだ人ならだれでもやっていることでしょうが、このようなことが成功の確率を高めることは確かです。そしてその実現のために生活をいつもスリムにしておくことも、優先順位をしっかりさせておくことも大切な前提になります。

失敗の中に

物事がスムーズに進んでくれればいいのにと望むのは世の常です。しかし、知源育のプロジェクトを進めていて思うことは、スムーズに進んでいるときはかえって学びが少なく、長い目で見ると成長を阻むことにもなりかねません。何かに失敗したり挫折したりするとき、隠れた事実に目を開かれることが多くあります。

クルマのオーナーシップということを例にとります。すべての機能が順調である時には何の注意も払う必要が無く、クルマはただ交通の手段として利用されているだけでしょう。車検でブレーキが摩耗していると分かったり、エンジンが突然止まったりすると、そのことで私たちの意識は普通意識することの無かったクルマの特別な機能や部品について関心が向けられ、それぞれの問題を解決するプロセスで、クルマがどのようにできているのか、大切に長持ちさせるように乗るためにはどういう点に心がけなければならないのかというような事柄に目が開かれます。アメリカで中古車を何台も乗り潰した経験によりたくさんのことを学びました。物事がすべてスムーズに進んでいたら、細かいメカニズムについての深い理解は決して得られなかったでしょう。

組織的に進めるとは?

文明を発展させる基礎に科学があります。科学するとはどういうことでしょうか。一つの簡単で、しかも大切な特徴は「組織的」に物事を進めることです。英語では学問の分野をdisciplineという言葉で表すことがあります。「N氏は物理学のdisciplineで豊かな経験を積んできた。」の様に使えます。この言葉には訓練やしつけの意味があることをご存知の人も多いでしょう。組織的に物事を進めることには訓練や自分自身をしつけることが含まれることは言うまでもありません。

知源育はパフォーマンスの向上を科学することだと言っても過言ではなりません。当然組織的に進めることが条件に入ってきます。5原則をしっかり身に付け、カリキュラムの中にある100のポイントは組織的に進めることを可能にするステップだと言えるでしょう。組織的に考え実行に移すことで、通常では不可能な事柄にたくさんの扉が開かれるのです。

変化を生み出す

このテーマについては何度も書いています。しかし、重要なので繰り返す意義があります。漠然と頭に描いていることと、書き出して組織的に考え、具体的な行動目標を書き出し、それを実行に移すための計画を立ててそれを記録するところまでを求める知源育のモードで行動することにははっきりとした違いがあります。

頭の中だけで考えていることでも行動に移せることもあるのですが、知源育のモードでプロジェクトとして実行に移すと、それが実現し、発展していくスピードやレベルに大きな違いが生まれます。それどころか、そうしなければ決して実現することができなかったであろうことが次から次へと可能になるのです。

スピリチュアル・クリエーション2

昨年の5月の投稿でこのことに触れました。このテーマで何回かにわたってコメントする意義があるでしょう。知源育は未来志向性があります。新しいことを開拓するのに大きな助けになります。何か大事で大きなプロジェクトを始めるとき、スピリチュアル・クリエーションを取り入れます。

言葉を替えていえば丁寧な企画書を作るということです。Q&Aのテクニックやソロ・ブレーンストーミングを使って企画書の内容をどんどん膨らませます。これには細切れの時間を使って長い期間にわたって、少しずつ進めていくことも可能です。忙しい日常生活の合間にも、5−15分くらいの空き時間を見つけることはそれ程難しくないでしょうから。知源育では書きながら考えますから、物切れになった時間も連続したものと同じように使うことができるのです。

質の高い思考

何度も繰り返しますが、知源育には記録が命です。頭の中だけで考えていることは悪くはないですが、確実な成長を生む思考には不十分です。書きながら考え、書いてはその内容を何度も復習することは限りなく大切なことなのです。思考の質がそのように高まることで、大きな変化を生み出すきっかけが生まれるのです。